cannes_2013

6月16日(日)セミナーに参加してみて

こんにちは。嶋田です。

60周年を迎えるカンヌ・ライオンズの初日に参加してまいりました! 今年はメインキャラのライオン氏もめちゃくちゃ気合が入った表情で参加者を迎えています(笑)。

初日からあちこちでイベントが目白押し(今日はInnovation Lionsのshort list 作品のプレゼンが終日行われていたりもしました)だったんですが、午後に博報堂ケトル・木村さんの「A formura for creative alchemy(「クリエイティブ錬金術(秘訣)」のための公式)」というセミナーに参加してまいりましたのでそのあたりを中心にレポートしたいと思います!

最近の博報堂グループのプレゼンスアップ(?)の影響もあってか、とても広い会場ながら8~9割埋まっており、クリエイティブ開発のヒントを探ろうとする参加者の熱気であふれていました。

内容は「アイデアを生み出すための5つの視点」として’Combine’ ‘Mimic’などを提示し、それぞれのたとえ話を入れたり具体的なキャンペーン事例を交えたりしながらの説明でした。プレゼン中のアニメーションやストーリー展開に参加者は文字通りがっちり引きこまれており、終了後は拍手が鳴りやまないほどでした(その後いくつかのセミナーに参加したんですが、ここまで反応がよいのは珍しいようですね)。


で、僕が感じたのはプレゼンの構成の重要さです。スライドやアニメーションが素晴らしかったのは言うまでもないのですが、木村さんが冒頭に「5つの秘訣がある」と断言し、それぞれを説明する中で、「mimicでアイデア(時には新製品)を生み出すということはどんなことか」と一般的な事例(たとえば、ビール工場の生産ラインを模して回転スシの発想が出た、等)を出した後で最近のキャンペーン事例を紹介する、というアプローチでした。

聴いている側は「mimicでどうやってアイデア出せるの?」と漠然とした質問を持ちながら、一般事例を見て「そういうことね」と概念的に納得し、さらに日本国内外のキャンペーンを見る中で「!!!」と確信に至るわけです。ぼくも、紹介された事例の多くは以前に目にしていましたが「なるほどこういう視点に基づけばこの発想に行きつくな~」などいちいち腑に落ちました。途中で紹介された、博報堂がプロデュースした事例の内容も素晴らしいものが多かったこともあり、終了後の大盛況に至りました。

ほかと比較することが本題ではないのですが、こういった大観衆を前にしてのセミナーの場合、「調査結果や自社サービスの紹介に終始」したり「パネラーがそれぞれ意見を語ったうえでややもすると結論があいまいなまま終了」ということも多い気がするのですが、今回の木村さんのセミナーではまったくそうした側面が感じられませんでした。プレゼン技術(話法、ボディーランゲージ、資料作り)のほかに、「全体構成をどう作るか」がいかに大事か、とつくづく考えることのできた午後でした。

翻ってぼくらのチームでも、よく「事例分析をして新しいアイデアを生み出し、最新テクノロジーと結び付けよう」というアプローチがとられますが、この「既存事例を分析」する際、表面的な事象や構造だけを見るのではなく、その背後にある発想法(きょうの”5つのcreative alchemy”のうちどの視点が使われ、このアイデアに至ったのか)まで想像してみることで、より深い把握ができ、そのfundamentalな要素を入り口にして個別案件の解決策を考えていく、、、日々この視点を忘れないようにしようと思いました!

引き続き、現地からさまざまな視点でのレポートをお送りします!