こんにちは、ゆうです。

カンヌライオンズもいよいよ3日目を迎えて盛り上がって参りました。

グランプリやゴールドのまとめは盛んに行われているので、
僕の方では個人的に良かったなぁ〜と思う作品を、
今年から新設されたInnovation Lionsより紹介したいと思います。

“The Innovation Lions have been designed to reward technologies and innovations. Lions are awarded to such things as the most innovative platforms, apps, tools, programs, hardware, products, and radical software which allow brands and creatives to communicate with their customers in a new way, or which stand alone as significant innovations in their own right.”

（和訳）Innovation Lionsとは、技術や発明を称えるために作られたものです。ブランドやクリエイティブが新しい方法で顧客とコミュニケーションすることを可能にするプラットフォーム、アプリ、ツール、プログラム、ハードウェア/ソフトウェアや、権利を含めスタンドアローンとして成立している優れた発明に与えられます。

Innovation Lionsは上記の定義となっており、
今年は40カ国から270のエントリーがあったそうです。
その中からショートリストに選ばれたものは25作品で、
日本からはnecomimiとVision Shift Systemの2つが通過していました。

この部門は普通の部門と違い、
ショートリストに選ばれた作品を会場にて公開プレゼンテーションすることになっています。

（こちらはGoogle Web Labのプレゼンの様子）

まさに審査員達がガンガン質問していく様子を見れるようになっていて、
ここまでで一番面白かったです。

そのInnovation Lionsより、#SkyRecを紹介。
実際にこの作品はショートリスト止まりで受賞にはいたりませんでしたが、
とても良い作品なので紹介します。

http://www.sky.com.br/site/skyrec/
紹介ビデオ（貼付けられなかったので…）

#SkyRecは、SKYというブラジルのテレビ局が行った施策で、
ツイッター上で公式アカウントの流す番組の情報をRetweetするだけで、
見たいテレビ番組を録画できるというもの。

利用方法は簡単、

1. サイトにてTwitter IDとSKYの登録番号をひも付け登録。
2. 毎日SKYの公式アカウントから流れてくるハイライト情報を、Retweet。

この二つの手順だけで番組録画をしてくれるという、便利な施策です。

約5ヶ月間、サポートセンターへの電話の受け答えのトレーニングや、
Twitter API + Confirmation Robotによるユーザー認証と
番組録画を開始するためのシステムの検証（衛星との連動です）、
Retweetキャンセルしたときに録画キャンセルする監視システム、
などなど裏側の仕組みは結構大変だったようですが、
ここでは長くなるので割愛します。

この施策のキモは、
ユーザが番組情報をチェックするのに放送局のウェブサイトからではなく、
“Twitterのハッシュタグを利用してチェックする傾向がある”
ということを彼らは見つけたということです。

日本ではDVDレコーダーが発達していて、スマホアプリをDLすれば、
録画も含め色んなことができるようになっていますが、
この施策は、ユーザの行動に基づいてソリューションをちゃんと導きだしていて、
特別なアプリをダウンロードしていなくても、
Twitterを見るアプリさえ入ってればOK!という設計になっています。

そこが個人的にはツボで、長年この業界の仕事をしていますが、
ユーザは専用アプリをDLしたり、
ややこしい手順が含まれるとすぐそっぽを向いてしまうので、
非常に上手な設計だなぁと思いました。

また、TwitterやFacebookなどのSNSが生活の一部にとけ込んでいるこの時代に、
それをベースに365日、
ユーザの行動に入り込むことができるものになっているのもミソです。

まだ出来たばかりの赤ちゃんサービスで、
“これから育っていくものなんだ”と強く言っていて、
今後はユーザの意見を反映したり、
録画した番組を買えるようにしたりと展開を進めているようです。
（ちなみに録画番組は1~2ヶ月しか見れない仕様に今はなっています）

ユーザの生活習慣を変えるようなよい施策として紹介させていただきました。
（…ただこの作品がInnovationかと言うと結構難しい話ですが。）

今日はDesign部門の授賞式があります。
Outdoor部門などと含め、一両日中にデザインショーケースをHACKistに書かせていだきます！

ではまた！

ゆう