cannes_2013

6月20日(木)カンヌレポート番外編 – Future Lions –

ぼんじゅーる、ゆうです。

カンヌも残すところ2日。
様々ものが出そろい、そして評価されてきてますが、
2つあるここまでのMy Bestのうちのひとつをご紹介したいと思います。
(もうひとつはMobileのグランプリですがそれはまた後日)

カンヌでは近年毎年開催されるFuture Lionsというものがあります。

http://www.futurelions.com/

AKQA主催の学生向けのコンペティションで、

“5年前には不可能だったアイディアを自身で選択したグローバルブランドの為に提案せよ”

というものです。

毎年5組受賞するのですが、今年は日本の学生達が受賞しました。

“awaken by amazon”というこのアイディアは、ユーザからいらなくなった本をアマゾンが集め、インドに送るというもの。

そもそもインドは世界で最もilliteracy(読み書きができない)な人々のいる国だそうです。

仕組みとしては、

1. amazonで新しい商品を買い、届く箱にいらなくなった本を詰めて送り返す。
2.それが先進国の学校や図書館などに送られる。(インド人ハッピー♪
3.ユーザはいらなくなった本のkindleバージョンをユーザは受け取ることができる。家も整理整頓される。(ユーザハッピー♪
4. さらに送られてきた本にはamazonのロゴが貼ってあるのでインド市場において、本=amazonという式ができる。(企業ハッピー♪

というスリーハッピー構造になっています。

これひとつも難しいテクノロジーを使ってなくて、非常にスマートに課題解決しています。
ややもするとテクノロジーに頼りがちな時代に、

“最もベストなソリューションは何か?”

そういった考え方ができている施策と感じられます。

テクノロジーも、もっと言うとデジタルも手法のひとつですから、
“流行だから使う”と流されてしまっては伝えられるものも伝えられません。

僕たちはデジタルのプロですから、そこの見極めや、
正しいテクノロジーの使い方をディレクションしていかなくてはなりません。

「Facebookより、ウェブサイトを立ち上げて(…)」
「CMより、WEB中心にコミュニケーションを設計していって(…)」
「今回はウェブサイトもそうですが、SNSを使って(…)」
「本当にデジタル施策が必要でしょうか?(…)」

などなど…
そういったことが言えるのは僕らデジタルの人間だからこそです。

ちなみにコーディネータ、AKQAのJames Hiltonは、

「student, student」(学生だぞ、学生なんだよ!?)

と連呼した後に、“これをここにいるプロの人間達が出せないことを恥ずるべきだ”的なことを言ってました。

学生だからとか若いからとか、
ちゃんとした指導を受けてるからとか(ある人の教えがあったらしいですが)、
そんなことを抜きに、こんなgoodアイデアを出されていることに焦るべき…。

もっともっとベストなソリューションを提供できるように思考量を増やさないと、
あっという間に淘汰されるよなぁと。

残りのわずかなカンヌをスポンジのように吸収してまいります。

ゆう