cannes_2013

6月21日(金)カンヌレポート その5 – サイバー周辺の雑感 –

こんにちは、望月です。
いよいよカンヌも最終日に突入し、
残すはフィルムとチタニウムになりました。

今回のカンヌは60周年ということで、
審査員のプレジデントも超大物ぞろい。
多分このメンバーが揃うことは今後ないだろう。。。
と言われたりしています。

で、20 日の時点で
博報堂ケトルの木村健太郎さんが
今回のカンヌについて、
以下のように言及しています。


僕も個人的に非常にうなづける内容だと思ってて、
特にサイバーライオンの結果は
それが現れているのではないかなと。
つまり、今回のサイバーのゴールド以上の結果には
「発見」が極めて少ないのでは、という印象です。

まだ詳しいところまで読み込めてないので、
あくまでも印象値レベルの話にはなってしまうのですが、
なんとなく「どこかでみた」ような作品が獲っているなと。
どれもクラフト力は抜群ですが、
クラフトを飛び越える
「匂い立つ発見や可能性」が見えてきませんでした。

Tweet Swedenしかり。
Twelpforceしかり。
Best job in the worldしかり。

おっ、サイバーの価値ってここにあったのね!
ワクワク!
みたいな、そんな発見にまで言及されていないのが
今年のサイバーでは、と感じています。

というわけで、
個人的サイバー周辺で発見したポイントを
「勝手カンヌ」として幾つか書きたいと思います。

(1)Reuse

リユース、つまり再利用です。
まぁどちらかというとモバイル事例ですが、
以下の二つはまさにそうで、
使われなくなったものに新たな価値を付けて再生する、
というものです。


Smart TXTBKS


SingTel Silverline

(2)MAKE + Communication

今年はもっとMAKERなものが
ガンガン受賞するかな、と思ってたのですが、
ゴールド以上には少なかったですね。
ただ以下のような、
MAKE的文脈の中にコミュニケーションを作る、
みたいなものは非常に今の潮流かなと思っています。


Chrome Web Lab

リアルとオンラインを繋いだ、博物館施策。
イノベーションライオンのプレゼンを見ていると、
最終的にはこの知見が子供の知育教育へと繋がる、
とのこと。


Perfume global Website Project

このPerfumeの施策はシルバーでしたが、
ゴールド以上でも良いのでは、
と思っています。
Perfumeという素材をオープンソース化し、
それがユーザーの手でどんどん拡張されていく。
プロジェクトの内容は一つだけではなく、
様々な方向から可能性を見つけ、
それがライブを通してユーザーへと還元されていく・・・

非常にサイバー的な手法ですし、
ブランドの向上にも寄与し、それが新しい。

Web Labもそうですが、
こういうものがゴールドに入らない状況が
非常に今年を象徴しているのでは、と感じています。

(3)Huge Result、Influential

今回の絶対的王者「Dumb Way to Die」はまさにそうでしょう。

何が半端ないかって、
普通に飯食べてても横の人が
フレーズを口ずさんだりしている訳です。
これまでのカンヌ受賞作で、
出店作品のフレーズが思わず口をついて出る、
みたいな事は余りなかったのではないでしょうか。

バイラルし、変換され、様々な形で人々に何度も届く。
そして、心に染み込むまでそれが繰り返され、
思わず口をついて出る。
これは非常にネット的な在り方だと思っていて、
数字だけでは測れない心の残り方を、
ネット経由で界王拳100倍くらいの勢いで
増幅させた例ですね。

その裏には様々な工夫があるのだと思いますが、
何にも覆すことのできない「圧倒的結果」が
それを証明しています。

フィルムとチタニウムが終われば
また違った発見があると思うので、
それは別の機会に!