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カンヌレポート④INNOVATION LIONS攻略法をテクノロジー視点で考えてみた

こんにちは。JUMPEI KAWASAKIです。

 

いま、受賞リスト閲覧の合間でこのあたりでブログ書いてます。

砂浜の砂が飛んできて自慢のMacbook Proが全体的にザラザラしてます。

 

 

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風が結構寒いので海にいる人は寒いはずなんですが気にしないのがユーロの文化なのでしょうか(適当)。

 

 

さて本題入ります。僕は普段、テクニカルディレクター(TD)という役割をやってます。

「TD なにそれおいしいの」という方、別にプログラマーとかエンジニアとかそんな認識でだいたい大丈夫です。

 

 

今回のブログの内容どうしようかな、モバイル部門受賞作考察でもしようかなと思ったのですが、せっかくテクニカル要員といしてカンヌに送ってもらってるので、テクノロジー視点から見たカンヌのレポートでもしてみたいと思います。

 

 

まず、僕は初めてカンヌライオンズに来ました。初めてって色々大変ですね。
大量の日本円をユーロに換金して来たのにトランジットで寄ったイスタンブールではトルコリラとかいう良くわからない通貨しか使えないし、会場来たら右も左も解らないし、初日はショートリストも2部門くらいしか出ていなくてしかもあんまりテクノロジー関係ない部門だし、パンは固いし。

 

 

ヨーロッパは色々勝手が違うというのが第一印象。

 

 

とりあえず初日はテクノロジーのテクの字も無いので作品のクリエイティブだけを見なくてはならないのですが、僕はクリエイティブ戦闘能力でいうとユーキャンやってるその辺の主婦と大差ないんですよ。オロオロしちゃいます。

 

 

とはいえ、室内でオロついてる姿を全世界に晒す訳にもいかないので、パネルを一心不乱に撮影してたりしてました。
で、こちらが気になった作品です。

 

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気になった理由は「かまいたちの夜」みたいだったからです。

 

 

掘り下げてみたらスウェーデンでは虐待などに対してでどうして良いか分からなくなって家を出る子供が沢山いるそうです。街路などにライティング&アニメーションマッピングをする事でそうした子供達の存在証明をして注意喚起をするというものでした。

 

 

 

かまいたちの夜、関係なかったです。

 

 

 

それはさておき、今回僕が最も注目してるのはINNOVATION LIONSです。
2013年から新設された部門でその名の通り革新的なものが対象となります。テクノロジーを駆使した作品がバリバリ出てます。

 

 

他の部門と大きく違うのはショートリストに残った作品の制作者は審査員とオーディエンスの前で10分間のプレゼンテーションと10分間の質疑応答を行います。

 

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当たり前ですが、質疑応答まですべてが英語。

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10分という短い時間で作品の核となる部分、ビジネスモデル、どうスケールするかを説明します。
プレゼン力も見られるので審査基準は結構独特かつ複雑なのだと思います。

(他部門はエントリービデオと作品を眺めて挙手。ある程度絞ってディスカッションしてグランプリ決定というアナログ感)

 

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まだ2年目の部門で業界の有名人が出る訳ではないので会場も大盛況というにはほど遠く、どこか新宿の単館映画みたいな空気を醸し出してます。

 

 

しかしプレゼンは真剣勝負で世界中のスーパー優秀な審査員の人が質疑応答するのを目の当たりに出来るのは貴重な体験でした。

 

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※スクリーン内で軽快に足を組んでいるのが「神」こと、審査員の方々※

INNOVATIONで重要だと思うのは以下の点です。

・いままでに無い、かつ世界の流れを変えられる作品か
・最新テクノロジーが大事じゃなくてその使い方が重要
・テクノロジーから入るんじゃなくてちゃんとアイデアから入る
・ビジネスモデルが確立されているか
・スケーラブルであるか

 

 

何となく気づく人も多いかと思いますが、これ、「スタートアップのベンチャーの見られ方」に非常に近いです。

 

 

受賞作品決まらないとなんともいえないですがStorytellingとかUserExperienceとかいわゆるカンヌの抑え所みたいなのは他部門よりプライオリティ低いのかもしれないです。全然ストーリー無いとそれはそれで受賞出来なそうでしたが。

 

 

GoogleもDevARTをプレゼンしてましたが、これは昨年のCinderと比較すると話題がプログラムにより過ぎているので審査員ウケはイマイチな印象。

 

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例えばUnityみたいなものが出たらそれは一発で取れそうな気がするんですけどね。

つまり、INNOVATION LIONSを攻略するには

「あ、そういうのも出来るんだね。これは世界を変えるかもしれない」という観点が必要。だから使い道やターゲットがあまりに限定されているものだと厳しいのかな、と感じました。

 

 

まとめると、

スケーラブルであること、しかも特定の対象ではなくて最初から「全世界」が対象であること。

これが結構大事なのかなーとおもいました。

 

 

その点で日本からでている「さわれる検索」はストーリーもあって、OSS(OpenSouceSoftware)での配布、3Dデータの拡張性で良く考えられていると思いました。

 

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プレゼン登壇されてた橋田さんとも話をさせてもらったのですが、使う人の体験、それこそデータの準備からプリント速度までいろいろと考えられてて、これは参加したいなーと思う内容でした。修行もふくめ参加したい。

INNOVATIONというだけあって全作品プロトタイプ感が強かったです。ほとんどの作品が正式ローンチは2015年以降。

 

 

そんな感じで攻略法が見えたのであとは噛み砕き、考え、つくるだけですね。

 

 

で、ほぼ全作品を見て思ったのですよ。

 

 

 

来年はプレゼンやっちゃおう(振り幅ゆるい)。

 

 

そして贈賞式で「フロムジャパン トーキョー オメデト ヨコソー」って言われよう。

 

 

と、いう感じでカンヌ後半戦もっと色々情報を仕入れてきます!

 

 

めるしー。