みなさま、漫画はお好きでしょうか。
漫画は鳥獣戯画などで知られる「絵巻物」を起源としていると言われています。
その後、印刷・製本の技術発達によって、昨今メジャーとされる「綴じ型」へと変化を遂げました。
現代の技術の進化は、漫画をさらに変化させるはずです。
次世代の漫画を感じさせる、プロトタイプをご紹介いたします。
デジタル技術で探る、漫画表現
漫画の定義には、絵に時間という軸が加わったものだと言う説があります。
コマ割りやセリフの吹き出しや効果音が、いつも見るあの形じゃなくてもいいわけです。
さらにいえば、コマが動いていたって、吹き出しが見えたり見えなかったりしても、いいわけです。
表現は広く、技術が進化すればさらにそれは広がりを見せます。
紙をWEBに焼き直す以上に、表現の幅は広がっているはずです。
今回 私たちは、昔は本を開いている人も多かった電車内で利用されるスマートフォンをピックアップし、
スマートフォンならではの表現を探しました。
短編1:「マンボウの書」
http://www.hackist.jp/UNDER/fm/01_manbou/
↑ 作品はこちらから。 ※iPhone6,6sに最適化して作成してあります。(対応機種拡大予定)
この漫画、最初にiPhoneを縦にして読まれたか?
一番最後の仕掛けに、お気づきになられましたか?
この漫画では、iPhoneを縦横に動かすと見える範囲が変わることを利用して、
2軸のストーリーを展開しています。
縦で読むと1人がぼんやりお茶を飲んで、こぼして、そこにマンボウが飛んでくるという不可解なストーリーですが、
横に倒すと実は話し相手がいて、なぜお茶を零したのか、
どこからマンボウがやってきたのか、謎が解けるという仕組みになっています。
短編2:「ガラスの椅子」
http://www.hackist.jp/UNDER/fm/02_glass/
↑ 作品はこちらから。 ※iPhone6,6sに最適化して作成してあります。(対応機種拡大予定)
本は、めくる一方向にしか進みませんが、WEBはそうではありません。
タップもあれば、スワイプも、自動操作もあります。
私たちは日々こういった技術を、WEBサイトの制作において利用しています。
この漫画では、その技術を漫画に使用しています。
パララックスと呼ばれる奥行き表現により 瓦礫の飛んでいく様を表現したり、
自動スクロールによって 所謂回想シーンというものを表現しています。
スマートフォンによって変化したインターフェイスを漫画の表現として活用することで、
新しい漫画の体験を模索しました。
実装面について
マンボウの書は見せ方の仕掛けがシンプルであるため、
細かい動きはすべてCSSアニメーションのみにするなど、実装面もシンプルに設計することで、
「普段ウェブを作らない絵描きさんでも簡単に作れるウェブ漫画」を目指して作りました。
逆にガラスの椅子では、普段の業務で培ったウェブの表現やコンテキストをふんだんに漫画に取り込んでおり、
普段ウェブサイトを作っている側の人だからこそできる漫画になっています。
表現的な動きだけではなく、それを実現する技術のあり方も含めて、
「次世代の漫画」を感じていただければと思います。
今後の活動
表現の可能性が溢れていて、既にやりたいこともいくつかあり、
他の表現を利用した漫画を今後も制作していく予定です!
こちらのページで徐々に作品を発表していきますので、
ぜひご覧いただけますと幸いです!
また、更新の情報なども含め、こちらのtwitterアカウントでも発信していきます。
近い未来、ウェアラブルデバイスで利用できる漫画や、AIが作り出す漫画も生まれることでしょう。
それはきっと未知の時間体験です。
漫画の可能性を、今後も感じさせていけたらと思います!
■次世代の漫画 WEBサイト:http://www.hackist.jp/UNDER/fm/
■HACKist_:@HACKistUNDER
クレジット
デザイン、漫画: かさき
実装: ごっしー