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Co-De / オランダとの共創プロジェクトはじめました

2018年の4月から7月中旬までの約3ヶ月ほどの期間で、日本とオランダをつなぐ実験的クリエイティブプロジェクトを始めました。

プロジェクトタイトルは「Co-De」。
去年よりワークさせているConnective Designの言葉頭をつまみつつ、CoもDeもそこから繋がる英単語にクリエイティブ周辺を連想させる言葉が様々に当てはまることもあり(Co-creation、Communication、Development、Deliver…)シンプルにそのプロジェクト名としています。

さてこのプロジェクトはどんなものなのか?
その内容をザーッと説明していきます。

どんなプロジェクトか?

体験とテクノロジーのデザインを強みとする我々と、デザイン&リサーチ研究機関であるCreatives AcrossとMediaLab Amsterdam、そして両者のハブとなるNeuromagic Amsterdamの混成チームからなる、日本とアムステルダムを「テーマ」でつなぐ共創プロジェクトです。

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東京チームでは4人、アムステルダムチームではおよそ6〜7人ほどのチームメンバーを立て、一つのテーマに対して双方の視点から課題に取り組みます。

両方の国に共通する課題に向き合い、社会実装を目指す

今回は、お互いの国に共通する社会課題に取り組む、という視点を立てました。
そこで、SDGs(持続可能な開発のための2030アジェンダ)からテーマを見つけることから、このプロジェクトはスタートしています。
SDGsとは、2015年の国連サミットで採択され、2030年までに国連加盟国が達成するべき目標として定められているものです。

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両国に共通するテーマをSDGsのアジェンダに沿うように選び、MediaLab式の「Design Sprint」と呼ばれるワークフレームを通じ最終的に社会実装されるアウトプットを作ることを目的としています。

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前述のように、本プロジェクトのDesign Sprintに関しては、MediaLab Amsterdamが独自で体系化したものをベースに使用。MediaLab Amsterdamが常日頃おこなっているカリキュラムを日本にも共有してもらい、その中でプロジェクトをワークさせています。

また、社会実装されることを目的としたアウトプットと言っても、その出口は色々とあります。
自分たちでサービスを始めるのか、どこかの企業に買ってもらうのか、はたまたもっと一般の人を巻き込み皆で作り上げる新しいプラットフォームにするのか・・・など、現時点ではどのような出口にたどり着くのか不明ではありますが、いずれにせよ「タンジブルなものを作り上げ何かしらの新しい領域に踏み込む」という点において、メンバー全員がその出口を目指し歩んでいくものとなります。

flow

流れはこのような形で、1回のSprintに約三週間。
それを計4回ほど回し、最終的なアウトプットを両方のチームの連携で目指します。

通常の日本のやり方であれば、 アイデア出し → プロトタイプ → 検証 → 提案 を一本の道のりで行うことが多いですが、MediaLab式の場合は短い時間を区切り、その中で「未完成でもとにかく先に進める」というフローを繰り返すことで、より強度のあるアウトプットを目指していきます。

テーマによってチームがユニークに変化し、限られた時間の中で最大のアウトプットを出すことを求められるオランダにおいて、MediaLab式のDesign Sprintは非常に合理化されたフレームであることが、本プロジェクトを通じ実感値として得られています。

ひとまず、アムステルダムでSprint1を回してきた

遠く離れた場所でチームを組む場合、基本はオンラインでのコミュニケーションがメインとなります。
通常は以下のように、何かしらのビデオチャットツールを使い、双方のコミュニケーションを図ります。

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ただ、どれだけオンラインツールが発達したといっても、初めてのプロジェクトを始めるのに一度も対面で会ったことがないのは、プロジェクトを進める上で色々と不安になります。
それはどの国の人でも一緒。相手がどんな性格か、どんなことを思っているか、何が得意で何が不得意か・・・を把握するためには、直接会って会話するのが一番です。

というわけで、まず最初のSprint1に関しては東京メンバー全員でアムステルダムへ行き、現地のDesign Sprintのフレームがどんなものか?のレクチャーを受けながら、実践していきました。

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ユニークだったのは、PechaKuchaと呼ばれるやり方で全員の自己紹介をするというもの。これは1ページあたり20秒、トータル10〜20ページのスライドで自分のことをプレゼンするといった、ミニTEDのような自己紹介の方法です。
だいたい一人あたりトータルで200〜400秒の中で自己紹介を行い、それがバトンリレーのような形で回るので、スピード感と程よい緊張感で自分たちの紹介を行うことができます。

この辺りですでに、合理的な進め方で質をあげることを目指す、彼らのやり方の片鱗が見え隠れしています。

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さらにDesign Sprintを回すのに欠かせないのが、このDesign Method Toolkit
世界中にあるデザインやアイデア、リサーチの方法を収集し一つのカードにまとめているものです。

Toolkitのカードの中からファシリテータがその都度、現状のSprintに合うメソッドを選び、ストーリーを組み立ててていきます。
Toolkitの中には日本でのなじみ深いKJ法などもあり、広い視野で集められているのがわかります。

このToolkitはWebでも全ての情報がパブリックに公開されているので、興味ある人は全て読み込んでみるのも、ワークとして面白いかもしれません。(そして朗報があり、現在九州の大学でこのToolkitの日本語翻訳版がそろそろローンチ予定、とのこと。これは期待できそうです)

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そんな形で、まずはテーマに対してのリサーチや現状把握をするべく、現地でのディスカッションとフィールドワークを通じSprint1に取り組んできました。
そこで得た様々な情報や刺激を持ち帰り、日本のやり方に沿うような形でアレンジしながら、現在進行形で取り組んでいます。

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日本とアムステルダムの混成チームがどんな結果をもたらすか、楽しみでなりません。
現状どんなテーマに向き合っているか?どんな進捗か?の深い情報まではお伝えできませんが、新しいアウトプットに着地できることを信じ、残りの日程を進めています。

また新しい動きがあれば、アップデートした情報をお伝えできればと思います。
お楽しみに!