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6月26日、カンヌレポート⑥ : Innovation lions

カンヌのマツコロイド。肌の質感のごだわりがちょーー不気味でした。

カンヌの6日目(6/26)というか、今回のカンヌについてテクニカルの視点ではなします。
主に6/25-26に開催されたInnovation Lionsについて記述します。エンジニア公文です。

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今回は印象として、一言に「R/GA」に圧倒されたです(個人的に)

R/GAのスローガンは「R/GA, for the connected age」。その元、「R/GA Accelerator」を立ち上げ運営しています。
”Madison Avenue and Silicon Valley can do for consumers”という粋な思想をかかえ、従来のAgencyの枠を超え様々なイノベーションを起こそうとしてます。イキすね!

6/24のブログと重しちゃう部分もあるのですが、「R/GA Accelerator」についてすこし記述します。

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◼︎「R/GA Accelerator」はTechStars型Accelerator
「R/GA Accelerator」はTechStarsと共に立ち上げたIoT専門のAccelerator。
基本TechStarsのやり方を継承、
 ①公募ののち10のスタートアップ選出
 ②5%の株式と引き換えに12万ドルの投資
 ③Mentorsからのアドバイスを受けることができる
 ④WorkingSpaceを使わせてもらえる
 ⑤DemoDayで成果を発表する
この流れで10の選ばれたStartUp企業はものを作り上げていきます。

それぞれも充実してます、
③Mentorsからのアドバイスを受けることができる
 ->100人を超える専門のメンターを確保
④WorkingSpaceを使わせてもらえる
 ->3Dプリンター、レーザーカッター等開発設備の確保
⑤DemoDayで成果を発表する
 ->ピッチ練習するための環境も確保
(ものを作る)ところから(ビジネス化)の部分までトータルで手厚く保障されているようです。
これがAgencyなのかと。イイネ

この「R/GA Accelerator」で実際に作られ、今回innovation lionsのshortlistに残ったものを4つ紹介します。

◼︎innovation部門 ShortList (R/GA編)
《 ①OWLET(R/GA New York) 》★innovation部門GOLD

概要:
子供の健康管理するためのソックス型プロダクト。柔らかく、赤ちゃんにやさしい構造に仕上げたデバイス。
・血液中の酸素濃度
・皮膚の表面温度
・心拍数
を一日中監視してくれ、データはスマホの専用アプリに送られるので遠隔からもデータを確認できる。赤ちゃんの気付きにくい不健康状態を手軽に監視することができるもの。初めての子育てで不安に思う親御さんの精神的フォローになる。プロダクトもしっかり作り込まれていました。
(HP) https://www.owletcare.com/

《 ②GROVE ECOSYSTEM (R/GA New York) 》

概要:
「inhome growing system」
各々の家の中で、安全な野菜を作るための仕組み/プロダクト。
安定的でかつエコで新鮮や野菜を自給できるというまさにドラえもんのようなプロダクト。
(HP) https://grovelabs.io/

《 ③Hammerhead (R/GA New York) 》

概要:
Find your way and discover new onesというコピーの通り、
自転車を運転中、スマホを見なくても目的地までの道のり(曲がるポイント、Uターンポイント)を
LEDで指し示してくれるプロダクト。スマホを見ながら運転危険なのでいいですね。
何よりインターフェースが美しいです。(海上消火機)の誘導灯にヒントを得たデザインだそうです。これはSXSWでも見たプロダクトです。
(HP) http://hammerhead.io/

《 ④「BIORANGER」(R/GA New York) 》★innovation部門GOLD

概要:
虫や環境被害での農作物への影響は4.5Bドルにも上っていて、それを防ぐための、ポータブルな農作物DNA検査キット、とのこと。Androidベースで動いていて、小さいながら様々な検出ができるようで、農作物被害の原因を特定しやすくしたデバイスのようです。このプロダクトの一番のポイントは、それぞれの農地のデータというものを第三者からも見ることができる。アメリカという国の中で農作物の被害状況を俯瞰的に把握できることになります。R/GAのプロダクトはIoTデバイスから取得されたデータをどう活用するのか?という部分までかなり考え込まれている印象を得ます。
(HP) http://diagenetix.com/

4プロダクトのうちinnovation部門で“Owlet”“BioRanger”がゴールドを獲得。“Hammerhead”も他の部門でゴールドを獲得しており、この文脈ではR/GAは頭一つでている印象でした。

どのプロダクトも生活者のインサイトをつき、またプロダクトから取得したデータを非常にうまく活用してるところがポイントだと感じてます。ありえないスピードでIoTデバイスが広がるなか、今後はデータの活用方法についてもっともっと議論されることになると思います。それを象徴しているのが、“MachineLeaning”,”DeepLeaning”という今年のバズワードです。

ここでもう一つ、作品の紹介を
innovation部門でR/GAのプロダクトを抑えてGRAND PRIXに輝いたのが「3WORDS TO ADDRESS THE WORLD」

★innovation部門グランプリ
《3WORDS TO ADDRESS THE WORLD (WHAT 3WORDS London)》

概要:
①地球上を57兆分割し、その分割は3m X 3mの正方形に値する
②四角形それぞれに対して名前を付与する
③命名規則はシンプルで3つの単語の組み合わせ
このシンプルな方法で57兆個の四角形に対して一意の名前を付与することができる。

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これを採用することで国によってルールの違う住所の概念を一度捨て、この3ワードを住所にしてみては?という施策
この背景には、世界の75%ほどの場所で十分ではないアドレスの仕組みで困っている人がいる。
アドレスのインフラ整備にはお金がかかる。自分の居場所の緯度経度情報なんて普通の人は覚えられないし煩雑というもの。
(HP) http://what3words.com/

課題に対しての解決策のシンプルさ素敵です。

今回、Innovation Award Shortlistに残った作品のプレゼン全て見ました。
日本からも、kettleの「eye play the piano」, Dentsuの「pepper」が参加してました。

通して感じたのは、まさに「DATA」X「TECH」X「IDEA」。このバランスだと思ってます。
R/GAに圧倒されず新しい体験作っていきたいと思います。

それではまた!