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【SXSW 2016】FinTech・VR・SmartData & SocialGood

Hello worldとPOSTIEが自然と融合することもあります。
それが、SXSW。

こんにちは。Qawasakiです。
2015年、2016年と参加させてもらっております。

到着時は「オースティン久々ー」って懐かしんでいましたが、SXSWの蓋を開けてみたら全然違いました。それがSXSW2016。一年という時間の流れ、世の中の潮流みたいなのを主観でレポートしていきたいと思います。

まず初めに僕らのブースの話から行こうかと思います。とはいえ、展示内容は初日レポートギズモードさんの記事で華麗にまとめられておりますのでそこは割愛します。

TradeShow参加2回目で気づいたこと

SXSWはFilm→Interactive→Musicと、期間によって顔が変わりその中でもアワードやKeynoteの見所も変わるので人の流れが日々変わります。
TRADE SHOWでは初日と二日目が最も感度の高い人が訪れ、SONY、SAMSUNG、DJIなど街中のテクノロジー系の特設ブースもこの前半に集中してます。3日目以降になるとFilmが終わった人やMusic目的の人が流れ混んで来て雑多で陽気な感じになる。だから日によって見る人の質もフィードバックも全然違うからこちらもブースでの説明なども毎日毎日、変えて、その中でいろいろな情報を収集していきます。

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今年のHACKistブースには6プロダクト。
それぞれコンセプトもルックも、使い方も一見するとバラバラなラインナップ。

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1点、デジタルを使って何かと人を繋ぐ「コミュニケーション」という部分は統一されてます。
良く言うと、多様性がある。ということです。だから来場する人も端から順番に楽しんでくれました。
多様性といっても数と内容のバランスは大事なので、そこを気を付けながら組み立てていく必要もある、ということもわかりました。

テクノロジーの潮流

潮流。潮流ってなんですか、と。

ググってみたら“潮の満ち干によって周期的に起こる海水の流れ。比喩的に、時勢の動き。”だそうです。
ここからはそんな、いまの時の勢いについて触れていきます。

とりあえず、猫も杓子もVR。VR。VR。

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作り手の意見として外野からガヤガヤ言わせていただくとAR寄りのVRとか、SR(代替現実)とか、もっとそういう気の効いた、こんなの見た事ないってのがあっても良いじゃないか!、と思うのですがまずはHMDをして楽しんでもらうって所にみなさん注力していましたね。だからちゃんと行列出来てました。

今年からVR/AR EXPOもあるくらい、潮流というか全体がそっちを向いているので正にトレンド。
ゆえに来年はバッサリと存在しない可能性もあるのですが。いまはトレンドです。

昨今では体験者が動きまわれたり、触れたり、視聴覚以外もHACKするのが通常になってきていて、もうこうなるとVRじゃないのではと思うのですが、その中でも変わったアプローチをご紹介。
Entrim 4DというSAMSUNGがR&Dで実験的に開発展示してたヘッドフォンを体験しました。

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ヘッドフォンに付属した白い部分かが耳の後ろにあたるようになってるわけですが、ここから電気刺激が出ることで擬似的に脳に平衡感覚を変化する信号をおくります。まっすぐ立ってるのに右とか左にひっぱられるのです。

「VR酔い」という言葉が当たり前になっていて、そのネガティブな要素はコンシューマ向けにした時にネックになるのは目に見えてます。SAMSUNGはそこに向き合ってこれを解決解決する手段の1つとして研究してるとのことでした。そもそもVR酔いは脳が理解する感覚と視覚情報の乖離から生まれるので、その乖離する部分を電気刺激でカバーするという寸法です。電気刺激を試してみた感想ですが、とりあえず今のプロトタイプは通常の5倍くらいのVR酔いになります。

今年からSXSWでは“VR/AR TRACK”というものが現地時間16-18日で開催されるので、それも何かしらのレポートが出来ればと思います。

個人的にはどうしてもこのVRの多さを斜めから見ていて、何かそういう流れを作ろうという意図みたいなのを感じてしまうので、もうちょっと色々と確認したいな、と。

SmartData

Acceleratorで受賞したParknavをご紹介。

簡単にいうと車を駐車したい時に「Nowどこの道に停めれるのか」を地図上に色でプロットして教えてくれます。
15億件のパーキングデータを機械学習したモデルデータでリアルタイムを行っている、らしいです。機械学習は5年間研究してモデルを作って、パーキングデータを瞬時に判別できるようにしてるとのことです。

スクリーンショット 2016-03-16 12.30.24http://parknav.com/

データじゃないですが、備忘録的にもう一つ紹介すると、同じくAcceleratorを受賞した「Murgency」も良かったです。緊急時の医療処置を即時に行ってくれる人と医者をつなぐアプリです。

スクリーンショット 2016-03-17 1.27.45

http://murgency.com/

どちらもアイデアが突出していて、テクノロジーを使うことで「当たり前」が変化するプロダクトは絶対的な評価を受ける。というのが見て取れました。WebとかApp単体のものって日本からは少ないのですが、TwitterがそうであったようにイノベーティブなソフトウェアというのもSXSWが求めている気がしました。

FinTech

次にFinTech。

注目分野です。個人的に。
BitcoinとかBlockChain技術って日本でも入ってきてるところはきてるのですが、一般的なモノ作りでそれを実感するには時間がかかりそうだなと思っていてアメリカでどういう情報が出るのかなと思っていました。

紹介するトピックは2つです。
1つめはAcceleratorのPAYMENT AND FINTECH TECHNOLOGIES部門でWINNERになった”chroma”。
bbb
簡単にいうと投資家とスタートアップを繋ぐクローズドなクラウドファンディング
サービスやプロダクトがあって、そこの可能性に対してオープンに投資が行われていて、スタートアップの資金調達は資金調達というフレームの中で色々な交渉があって成立するのですが、それを一緒にしようというものです。
これにより時間と労力を超短縮してより早いスピードで資金の調達ができるというものです。
https://chroma.fund/

トピック2つめ、BlockChain関連でAtlassian技術者のセミナーにも行ってきました。

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この技術に関しては単純にデジタルでのお金のやり取りだけでやるにはもったいないなと思いました。
3rdPartyで使えるものをいくつか紹介してもらって、実装の仕方もすごく洗練されているので昨今のDeeplearningと同じく基礎を覚えてからやり始めれば専門的な教育に膨大な時間をかけないで、その技術を使ったモノ作りが出来るようになっている世の中でした。

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SocialGood

最後にSXSW的SocialGoodについて。
RORUSという泥水を飲み水に浄化するフィルターを内蔵したバックパックがアワード受賞していました。
rorus-logo
http://rorus-inc.squarespace.com/
RORUS

水の浄化といえば、カンヌ2014のイノベーション部門でプレゼンされてた“Drinkable Book”とほぼ同じフレームですが、浄化性、携帯性、許容量、デザインなど現実的に実用出来るものになっており、こっちは課題もプロダクトの内容もシンプルで「cool!」っていうアメリカンな人たちに刺さりまくりでした。。サイトで動画がみれるのですが0:25の動画ですぐ理解出来る映像になってるので興味ある方は是非。

前述した”Parknav”も”Murgency”もこの”RORUS”も、どんなフィールドであれ社会を良くするものは絶対的に評価される訳で、ここの受信感度は海外の方が高いなと思いました。

総括

やっぱり潮流というものは存在してました。
それを咀嚼して、SXSWに来ることで自分たちが伝えたいことを最大限に伝えられると思ったので今回得た情報を砕いて、帰ってまた情報インプットして、また違う世界の作り物が集まる場に行ってインプットして、咀嚼して、咀嚼して、たまに反芻して。

そうやって自分たちの作りものに繋げていきたいなと改めておもいます。

では。